1995 Fiscal Year Annual Research Report
実験脳虚血病態の解析及び薬物脳表潅流治療の有効性の評価-脳内微小透析法による検討-
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07771112
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
立木 光 岩手医科大学, 医学部, 助手 (60265147)
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Keywords | Cerebral ischemia / Microdialysis / Glutamate |
Research Abstract |
(1)ラットを用いた急性機脳虚血モデルを用い、虚血後の大脳皮質内グルタミン酸濃度、及びTTC法を用いた脳梗塞の体積を指標に治療群として、塩酸ニカルジピン単独(10^<-5>M)投与群、及び同ニカルジピン+マグネシウムイオン(4.5mM)投与群を用い脳表薬物潅流治療の有効性を検討した。 (2)SD系雄性ラット(250-300g)を用い、ウレタン麻酔下に右総頸動脈を露出し、脳定位固定器に頭部を固定し、透析プローブはラット大脳皮質内に挿入し、プローブ内はリンゲル液で2μl/minの流速で還流、その透析液をプローブ挿入1時間後より20分ごとに採取した。中大脳動脈と総頸動脈の閉塞を、プローブ挿入2時間後に行い、採取されたサンプルの解析にはHPLC-ECDを用いた。薬物の投与は薬物をリンゲル液に溶解し、外径0.1mmのSilicaTubuをクモ膜下腔に留置し、脳血管閉塞1時間前より37℃に加温した溶解液にて脳表を2μl/minの流速で潅流した。脳血管閉塞後4時間にてサンプル採取を終え、24時間後に断頭し、脳を1mm厚のスライスとしTTC染色を行い梗塞範囲の体積を計算し、リンゲル液のみ脳表潅流したコントロール群と比較し治療効果を判定した。 (3)閉塞4時間内のperfusate中のグルタミン酸の総量をコントロール群、ニカルジピン単独治療群、ニカルジピン及びマグネシウム同時投与群において比較検討した。脳梗塞の体積をコントロール群、ニカルジピン単独治療群、ニカルジピン及びマグネシウム同時投与群において比較検討した。以上より上記治療薬の脳表潅流は脳虚血に対して治療効果があり、グルタミン酸に対する放出抑制および梗塞体積縮小効果に置いてニカルジピンとマグネシウムの併用は相乗的な効果があることが判った。
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