1995 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨細胞と血管内皮細胞のCo-cultureによる血管新生抑制因子の検索
Project/Area Number |
07771160
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
多田 勝弘 大分医科大学, 医学部, 助手
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Keywords | 血管内皮細胞 / 軟骨細胞 / 血管新生 |
Research Abstract |
本研究の特色は従来おこなわれてきた血管内皮細胞のin vitroにおける培養のみならず我々が独自に開発したin vivoにおける培養系を用いて内皮細胞の動態を解明することにある。血管細胞の生理機能や病態生理機能を解明するにあたって単純化された内皮細胞培養実験系は,きわめて有用であるが,必ずしもin vivoを正しく反映しているか問題がある。本研究では血管内皮細胞を単離,培養したのち,chamberに入れ生体内にもどすという実験系をもちいてin vivoにおける血管内皮細胞の増殖と分化(血管形成)の動態とその機構を明らかにした。すなわち,培養内皮細胞は,in vitroでは樹枝状に増殖し未熟な管腔しかつくらない。しかし,細胞をchamber内に入れ生体内で培養すると再び生体内の血管と同じ構造を形成することが判明した。 また、二重チャンバーになった内層にコラーゲンゲルを底敷きして、その上に血管内皮細胞を培養し、フィルターで仕切られた外層には軟骨細胞を培養した。この2種類の細胞を我々独自の方法で培養してみると、軟骨細胞は、血管新生抑制に働くことが判明した。 このことは,将来,血管内皮細胞の研究のみならず血管新生の研究にきわめて重要な意義をもつものと考えられる。さらに,炎症の成立や,腫瘍の進展における血管新生がいかなる機序でおこり,コントロールされるかということの解明につながるものである。
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