1995 Fiscal Year Annual Research Report
骨巨細胞腫の多核巨細胞形成及び骨破壊におけるサイトカインの役割
Project/Area Number |
07771176
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
南雲 剛史 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40237566)
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Keywords | 骨巨細胞腫 / サイトカイン / 多核巨細胞 / 骨吸収 |
Research Abstract |
1、骨巨細胞腫培養細胞の産生するサイトカイン:手術時に採取した骨巨細胞腫(計7例)をcollagenaseを用いて分散し、10%FBS加RPMI1640培地にて培養した。初代培養細胞、継代培養細胞(2X10^5個/ml)の培養上清中のIL-1β、TNFα、M-CSFをELISA法により測定した。初代培養液中のIL-1βは62.5pg/ml、M-CSFは31.3pg/mlであった。現在、IL-4をELISA法で測定中である。 2、骨巨細胞腫の骨破壊機序:骨巨細胞腫よりtotal RNAを抽出し、northern blottingによりMMP-1、MMP-2、MMP-3、MMP-9のmRNAの発現を検討したところ、破骨細胞と同じようにMMP-9のメッセージの発現を認め、骨破壊機序に関わっている可能性を示唆した。今後、western blotting及びsubstrate gel上での電気泳動によるzymographyを行う予定である。 3、多核巨細胞の形成:ヒト末梢血単球を付着法により分離、IL-4(100u/ml)及びM-CSF(10000u/ml)を添加し、2日間培養することにより多数の多核巨細胞が形成された。一方、過去に報告されたIL-3とIFNγの系については、我々の条件下では多核巨細胞を形成することはできなかった。現在、骨巨細胞腫の培養上清を末梢血単球の培養系へ添加し、多核巨細胞の形成を観察中である。そしてその際のM-CSFの役割について中和抗体を用いて検討する予定である。
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