1995 Fiscal Year Annual Research Report
急性頭蓋内圧亢進時の血中カテコラミンと各種麻酔薬投与による影響
Project/Area Number |
07771211
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
西村 一彦 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (60251526)
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Keywords | 急性頭蓋内圧亢進 / 血中カテコラミン / イソフルレン / バルビタール / 全身麻酔 |
Research Abstract |
体重15kg〜25kgの雑種成犬6頭を対象とし、実験を行った。犬はketamine5mg/kg筋肉内投与にて麻酔を行い、気管内挿管を行い調節呼吸とした。その後笑気(66%)とisoflurane2%麻酔下に頭皮を切開し小開頭した上で、バルーンカテーテルを硬膜外に留置した。また内頚静脈を剥離し、頭側に向けて酸素飽和度センサー付きカテーテルを留置した。硬膜外に留置したバルーンに生理食塩水5〜10mlを注入し、バルーン内圧を40mmHgに保ち急性頭蓋内圧亢進モデルを作成した。30分間放置した後thiopenthal(5mg/kgiv.後5mg/kg/hr)麻酔群と,isoflurane2%麻酔群にランダムに分け、さらに30分後にバルーン内の生理食塩水を除いて、この間の血圧,心拍数,頭蓋内圧,内頚静脈酸素飽和度が持続的に測定された。動脈血ガス,血糖値,血中カテコラミン値(epinephrine,norepinephrine)は、頭蓋内圧上昇前,麻酔薬投与前,投与後30分,投与終了時に測定された。除圧後30分の頭蓋内圧は、thiopenthal群で12±5mmHg、isoflurane2%群で20±7mmHgとthiopenthal群において平均8mmHg低かったが、その他の測定値に関しては両群間で有意な差は無かった。実験を行う上で当初計画からいくつかの変更を余儀なくされた。一つは頭蓋内圧亢進モデルの作成に関してで、これには結局バルーン付fogatyカテーテルを使用することとした。また、当初は基礎麻酔としてはfentanylを予定していたが、麻酔指定で使用が困難であったため、isoflurane麻酔とした。現在両群それぞれ3頭ずつと症例数が少ないため、今後症例数をさらに追加してまとまった時点で報告として発表する予定である。
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