1995 Fiscal Year Annual Research Report
培養血管内皮細胞の線溶活性調節に対する麻酔薬の影響
Project/Area Number |
07771214
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
釈永 清志 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (40187498)
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Keywords | 培養血管内皮細胞 / Plasminogen Activator / ketamine / midazolam / pentazocine / thiamylal |
Research Abstract |
1.研究目的 本研究は、培養血管内皮細胞を用い、これに数々の麻酔薬を負荷することにより内皮細胞の代表的機能である線溶活性の発現に対する影響を明らかにすることを目的とする。 2.研究方法・研究実施計画 ウシ大動脈血管内皮細胞(BAECs)を培養し、これに各種濃度(0.1,1,10,100,1000μM)のthiamylal,ketamine,midazolam,pentazocineを負荷しPlasminogen Activator(PA)産生に対する影響を活性レベルで調べた。 3.研究成果 いずれの麻酔薬も100μMではPAレベルが減少した。thiamylalについては、0.1,10μMにおいても有意にPAレベルが減少した。ketamine,midazolam,pentazocineは、臨床使用の際の血中濃度では血管内皮の線溶活性には影響していないことが示唆された。しかし、thiamylalについては臨床使用の血中濃度でも血管内皮細胞の線溶活性を障害することで、hypercoagulantな状態にすることが示唆された。(第17回日本循環制御医学会総会にて発表予定) 4.今後の展開 現在地の静脈麻酔薬プロポフォールについても同様に検討中である。また、サイトカイン(TNFα、IL-β)と麻酔薬の相互作用の検討するため、TNFα単独、IL-β単独、TNFαと各種麻酔薬、IL-βと各種麻酔薬のように血管内皮に対する添加条件を変え、t-PA:AgおよびPAI-1:Agの量的変動を検討する予定である。
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