1995 Fiscal Year Annual Research Report
steroid 5α‐reductaseの分子形態学的研究
Project/Area Number |
07771296
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
尾松 操 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (50224308)
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Keywords | steroid 5α‐reductase2型 / 免疫組織化学 / PCR / 融合蛋白 / ポリクローナル抗体作成 |
Research Abstract |
【目的】steroid 5α‐reductaseはtestosteroneをdehydrotestosterone(DHT)に還元する酵素である。testosteroneはDHTに還元されることにより数倍のアンドロゲン作用を発現するようになる。steroid 5α‐reductaseには1型と2型があり、前立腺などアンドロゲン依存臓器では主に2型がその役割を果たしていることが知られている。今回われわれはヒトsteroid 5α‐reductase2型に対するポリクローナル抗体を作成し、免疫組織化学法によりその局在、発現につき検討した。 【対象と方法】手術時に得られた腎臓・尿管・膀胱・前立腺・精嚢・精管組織を用いた。組織は速やかに凍結し-80℃で保存したのち凍結切片を作成した。 抗体のデザイン:steroid 5α‐reductase1型と2型はアミノ酸配列上相等性が高いため2型に特異的なN末側に対する抗体を作成した。steroid 5α‐reductase2型のcDNAに基づきプライマーを作成し5側の160bpをPCR法にて増幅したのちPGEX vectorにクローニングし、融合蛋白を合成。これを抗原として家兎に免疫し抗体を得た。凍結切片をこの抗体と反応させ、ABC peroxidase法にて発色させた。 【結果】前立腺・精管組織では上皮細胞の核・核周囲および間質細胞の核が染色された。精嚢でも同様の所見が得られたが、前立腺・精管組織に比べると弱陽性であった。腎臓・尿管・膀胱は染色されなかった。以上よりsteroid 5α‐reductase2型はおもにアンドロゲン依存臓器で発現していることが示唆された。
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