1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07771320
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
菅谷 泰宏 自治医科大学, 医学部, 助手 (00265266)
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Keywords | 腎細胞癌 / 腫瘍血管 |
Research Abstract |
転移性腎細胞癌に対する標準的治療法は確立されておらず、現時点では、主にIFN-αが有効とされて臨床で使用されているが、その有効率は20%以下であり、決して満足すべき成績とはいえず、腎細胞癌に対する新たな治療法(薬)の開発は、焦眉の急となっている。本研究では,IFN感受性および抵抗性ヒト腎細胞癌株を用いて,血管新生阻害剤TNP-470の抗腫瘍効果を評価し、TNP-470の有用性について検討した。まず、In vitroにおける血管新生阻害剤TNP-470の細胞増殖抑制効果を細胞数カウントおよびMTT assayで測定し比較検討したところ、IFN抵抗性および感受性ヒト腎細胞癌株ともに、高用量では細胞増殖抑制がみられた。低用量では静細胞的抑制であったが、高用量では殺細胞的抑制が認められた。また、IFN感受性および抵抗性ヒト腎細胞癌株をヌードマウスの皮下に移植し、皮下腫瘤を形成させ、形成された腫瘤に対するTNP-470の腫瘍縮小効果を検討した。無処置群のコントロールに比べ、TNP-470投与によって、IFN感受性のみならずIFN抵抗性ヒト腎細胞癌株においても著明な腫瘍縮小効果が観察された。以上より、血管新生阻害剤TNP-470は、IFN感受性のみならずIFN抵抗性ヒト腎細胞癌株に対しても著名な抗腫瘍効果を発揮することが確認され、腎細胞癌に対する新たな治療薬として期待し得ることが示唆された。
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