1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07771412
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
荻野 博司 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (10214040)
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Keywords | 卵巣癌 / サイトカイン / 転移 / G-CSF / GM-CSF |
Research Abstract |
サイトカインGranulocyte-colony-stimulating factor(G-CSF)及びGranulocyte-macrophage-colony stimulating factor(GM-CSF)がヒト卵巣癌の進行あるいは転移の刺激因子として働く可能性は否定できない。この研究では卵巣癌(原発巣、転移巣)組織におけるそれらの発現の有無を免疫組織学的に検索した。対象組織は当大学産婦人科における手術施行例200例以上より進行卵巣癌80例を選定した。免疫組織染色はパラフィン切片を用いABC法にて行った。研究は現在、進行中あるが、これまでに得た知見は(1)G-CSF陽性例は50例中0%、(2)一方、GM-CSF陽性例は50例中の約60%、2点である。(1)は卵巣癌がG-CSFを産生し、分泌している可能性の低いことを、(2)は癌組織がGM-CSFをautocrineに分泌し、増殖あるいは転移を促進する可能性を示唆している。今後は陽性例0であったG-CSFに関しては研究材料や研究方法の精度の確認を、またGM-CSFに関してはその発現と進行病期、あるいは転移の有無や転移形式との関連性につき検討を進める予定である。さらにGM-CSF発現症例に関してはPCR法による遺伝子レベルでの証明の必要性を感じている。現在G-CSFはすでに臨床応用されており、さらにGM-CSFついてもその検討がなされているが、それらの安全性については完全に証明されていない。今後の研究の展開としてはG-及びGM-CSFreceptorの卵巣癌組織における存在の有無を明かにし、それらが薬剤として使用された時の安全性についても検討を加えたい。
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