1995 Fiscal Year Annual Research Report
蝸牛の内有毛細胞の選択的傷害モデル動物におけるDPOAEの検討
Project/Area Number |
07771422
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平野 浩二 東北大学, 医学部・付属病院, 助手 (00260414)
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Keywords | DPOAE / カルボプラチン / 内有毛細胞 |
Research Abstract |
1.まず最初にプライエル反射の正常なモルモットを用いて安定して歪成分耳音響放射(Distortion product atoacoustic emissions:DPOAE)を測定できるようにした。また聴性脳幹反応(ABR)、聴神経複合活動電位(CAP)、蝸牛マイクロホン電位(CM)も安定して測定できるようになり、モルモットにおける聴力の評価が確実にできるようになった。 2.次にカルボプラチン投与量を調べるための予備実験を試行した。カルボプラチン200、300、400、500、600mg/m2をそれぞれ2匹のモルモットに静注した。2週間後にそれらのモルモットを断頭し、蝸牛を摘出したWGAレクチンで聴毛を染色し、共焦点レーザー顕微鏡(MRC-600)で観察した。また、ノマルスキー微分干渉顕微鏡で有毛細胞の細胞体の有無を確認した。これらの結果、カルボプラチン投与量があがるにつれて障害された聴毛数が増え、外有毛細胞の障害された細胞体もっそれにつれて増加していった。ところが、内有毛細胞の場合にはカルボプラチン投与量が少量(200または300mg/m2)の場合にはその聴毛も細胞体もほとんど障害されておらず、500mg/m2になり、その聴毛に障害が認められるようになった。さらに600mg/m2では障害聴毛の数も増加し、細胞体に障害のあるものも出現するようになった。 3.カルボプラチンが内有毛細胞を選択的に障害するという仮説に基づいて、実験を計画したが、現段階ではカルボプラチンの静注ではそのような所見を認めららなかった。この原因に関してはという方法が内耳にとって障害が強くですぎるのかもしれないと思われた。このため現在は蝸牛に小孔をあけて蝸牛を短時間灌流する方法を検討中である。
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