1995 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー・ドップラー法を用いた血流計による喉頭血流の臨床的検討
Project/Area Number |
07771440
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
津田 豪太 福井医科大学, 医学部, 助手 (80197699)
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Keywords | レーザー / 血流 / 喉頭 / 声帯 |
Research Abstract |
血流を真に測定できる唯一の手段であるレーザー・ドップラー血流計を用いて、今まで生体では計測不能であった喉頭表面の実際の血流を測定し、喉頭良性疾患の成因の一端である炎症による血流の変化を究明し、また、喉頭悪性疾患である喉頭癌においては腫瘍部分と非腫瘍部分の血流を綿密に計測することで、その進展範囲や進達程度を究明することを目的として本研究を施行した。 まず、基礎実験として成犬の声帯粘膜の血流測定を施行し、さらに同動物の声帯に薬剤や直接操作さによって炎症や疑似腫瘤を惹起させ、経時的に血流の変化を測定した。測定後に咽頭を摘出・法埋固定し、血流分布と炎症程度などを観察した。 次に、本研究に賛同が得られた喉頭疾患患者に対し、通常の詳細な診察の後に喉頭軟性ファイバー下に病変部位や正常部位の血流を反復測定した。 現在まで研究は進行中であり、悪性腫瘍症例ではまだ測定は施行できていない。しかし現時点までの検討では、炎症の程度やその内容によって血流はかなり異なっており、一義的に血流低下が炎症遷延化などを指しているとは結論出来なかった。しかし、明らかな疑似腫瘤病変などでは血流の低下が確認され、その進展範囲を知る上で有効な手段と思われた。今後は基礎・臨床いずれも症例を重ねてさらに検討を試みる必要があり、声帯の物性を検討する手段として有用性があると思われた。
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