1995 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部癌におけるIV型コラーゲンの発現と転移との関連
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07771465
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
丸山 晋 京都府立医科大学, 耳鼻咽喉科学教室, 助手 (90271171)
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Keywords | 頭頸部癌 / 転移 / 癌巣周囲膜 / IV型コラーゲン / 免疫組織学 / IV型コラゲナーゼ / 生化学 |
Research Abstract |
組織学的に扁平上皮癌と診断された頭頚部癌のうち未治療症例の原発巣からの生検組織あるいは手術時採取組織を対象とした。85%エタノール固定のパラフィン切片(4μm厚)作成し、1枚は比較検討のためHE染色をし、残りは抗IV型コラゲンモノクローナル抗体を用いてABC法で免疫組織染色をした。癌巣周囲膜の連続性をIV型コラゲンの発現から免疫組織学的に観察した。その連続性をHavenithらの基準を参考にして、癌巣周囲膜が癌巣を取り囲んで連続している所見が全視野の75%以上を占めるものを「連続」、癌巣周囲膜が断続的に認められるものや連続してはいるが全視野の75%に満たないものを「断続」、発現性を全く認めないものを「消失」とそれぞれ分類定義した。癌巣周囲膜の性状、すなわちIV型コラーゲンで見た連続性(連続しているか、或いは断続または消失しているか。)と頚部リンパ節転移の有無・T分類、M分類(遠隔転移)・分化度との相関を検討した。この結果、リンパ節転移の頻度は、連続例で低く、断続または消失例で高い傾向があった。T分類に関しては、明らかな相関は見られなかった。分化度に関しては、高分化癌では連続例が多く、低分化癌には不連続例が多かった。これらのことより、IV型コラゲンの発現から見た癌巣周囲膜の連続性は、腫瘍の悪性度をある程度予測するのに役立つものと思われた。また、さらにIV型コラゲナーゼ活性と頚部リンパ節転移の有無・T分類・M分類(遠隔転移)・分化度との相関を検討する予定であったが、こちらの方は現在進行中である。
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