1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07771473
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
野口 浩男 北里大学, 医学部, 助手 (50218301)
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Keywords | 電気性身体動揺検査 / GBST / 再現性 / 潜時 / 振幅 |
Research Abstract |
電気性身体動揺検査(Galvanic body sway test, GBST)は、前庭系の検査の中で、内耳障害と後迷路障害を鑑別し得る有力な検査と考えられている。しかし、この検査法は、被験者固有の不規則な重心動揺波の上に電気性身体動揺波を重ねる検査であるために、全例において鮮明な波形が必ずしも得られるとは限らず、またすべての波形成分が定常的に得られないこともある。正常被験者において、各波形頂点が、2峰性となったり、平坦化し計測が困難となる例もあり反応の判定に苦慮する場合があった。当教室では正常被験者13名についてのGBSTで刺激加算回数、刺激電流、刺激時間を変えて各波形の出現率と潜時について検討し、0.5mA, 5秒間刺激20回加算で最も鮮明な波形が得られたことを報告した。本研究では、この刺激方法を用いてGBSTの再現性について評価した。 正常被験者10名(平均年齢31.4歳)に、GBSTを1日に左刺激反応と右刺激反応をそれぞれ2回ずつ施工し、1週間以上の間隔をあけて3週間にわたって反復した。そして、短時間・長期間における反応の再現性を検討し、次の結果を得た。 1. GBSTの各潜時、振幅について再現性が認められた。 2.刺激onとoffの初発波,主変動波の各潜時には、各被験者間の差は小さく、各振幅には、大幅な被験者間の個体差が存在した。そして各振幅の小さい個人はその後の検査でも小さく、各振幅の大きい個人では追検査でも大きく同一個人では、再現性が認められた。 3. GBSTの判定には、同一個人での左右差の有無の重要性を強調した。
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