1995 Fiscal Year Annual Research Report
鼻粘膜血管内皮培養細胞の活性酸素産生能に関する研究
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07771492
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
川村 繁樹 関西医科大学, 医学部, 助手 (50224853)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 鼻粘膜 / ヒスタミン / 活性酸素 |
Research Abstract |
今回我々はすでにヒト鼻粘膜血管内皮細胞の単離培養系を確立しており、この培養細胞を用いて、活性酸素産生能をdigital microfluorographyを用いた細胞内oxidantプローブ法にて測定し、鼻過敏症と虚血再潅流症候群との関連を検討した。 使用したプローブはdichloroflurescin diacetateを用いた。ヒスタミン刺激時、ずり応力刺激時、ブラディキニン刺激時、サブスタンス(SP)刺激時について蛍光法を用いて検討を加えた。さらにSOD存在下、および非存在下において検討した。SOD存在下においては無刺激でも活性化がみられ、鼻粘膜血管内皮培養細胞の活性酸素産生能は亢進しているものと考えられた。また、SOD非存在下においては各種刺激において鼻粘膜血管内皮培養細胞の活性がみられた。ただし、SOD非存在下においては反応は低かった。このことより、鼻粘膜血管内皮細胞は生理的な血流刺激だけではなく、鼻過敏症における各種メディエーター刺激においても活性酸素の産生が亢進している可能性を示唆するものと考えられた。また、鼻過敏症の発症過程において、局所血流低下、虚血再潅流現象、活性酸素産生による粘膜組織障害と一連の悪循環が進行している可能性を示した。このことはSOD活性を持つ薬剤や、局所の血流改善の鼻過敏症への効果と虚血再潅流現象の鼻アレルギーへの関与を示唆させる。
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