1995 Fiscal Year Annual Research Report
雌マウス唾液腺におけるエストロゲン・リセプターの分布
Project/Area Number |
07771499
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
老木 浩之 近畿大学, 医学部, 助手 (30221120)
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Keywords | 唾液腺 / 雌マウス / エストロゲン・リセプター / 加齢変化 |
Research Abstract |
雌マウスを購入、飼育し、自然加齢を計り、現在、68週令となっている。定期的に膣垢のギムザ染色から発情周期を観察した。いずれも正常性周期を有し、引き続き、性周期の観察を行い、閉経を待っている。マウスの交配退役月齢は12〜15カ月とされており、自然加齢群ではまもなく閉経に至ることが予測される。一方、8週令成熟雌マウスの両側卵巣摘出術を施行し、性周期の停止を確認しており、現在、週令を重ねている。 自然加齢群における閉経後3、6カ月後と卵巣摘出群における術後3、6カ月後におけるHE染色組織像とestrogen receptor抗体を用いた免疫組織染色によるestrogen receptorの分布を比較検討する。以上の結果は正常成熟マウスとの比較も行い、耳下腺、顎下腺、舌下腺の加齢変化、卵巣摘出による影響について調べる。自然加齢群と卵巣摘出群の組織像の差異により、唾液腺組織の加齢変化におけるestrogenの影響が観察できる。 正常マウスの各唾液腺の構造はヒトとは異なり、耳下腺は漿液腺、顎下腺、舌下腺は共通の被膜に覆われて一塊となっており、それぞれが粘液腺、漿液腺と別れていることが判明した。ヒト耳下腺のような混合腺は存在しないことが確認された。実験動物の正常組織を記載した文献においてもラットやマウスの唾液腺の同定はかなり曖昧となっており、この点についても研究成果として報告する予定である。
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