1995 Fiscal Year Annual Research Report
一側性前庭機能障害症例における頭振負荷重心動揺検査の研究
Project/Area Number |
07771503
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
土屋 睦子 久留米大学, 医学部, 助手 (30203087)
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Keywords | めまい / 重心動揺検査 / 頭振負荷 / 平衡機能検査 |
Research Abstract |
迷路機能の不均衡が潜在する場合、頭振の後に眼振が出現することはよく知られている。しかし、頭振後の身体の平衡については未だ報告が少ない。そこで、頭振後の眼振と身体偏奇の関連をみるために、頭振後眼振の認められた一側性迷路機能障害例を対象として頭振後の重心動揺を調べた。正常例は、めまいの既往のない者50名とした。一方、一側性迷路機能障害例はフレンツエル眼鏡を用い水平方向左右90度、1HZ、7往復の頭振を行って眼振が認められた症例16例とした。内訳は、聴神経腫瘍6例、前庭神経炎4例、迷路瘻孔3例、メニエール病2例、外傷性内耳障害1例であった。コントロールとして、閉眼下に直立ロンベルグ姿勢で重心動揺検査を行い、次に水平方向左右90度、1HZ、7往復の頭振をおこなった後にもう一度閉眼下に直立ロンベルグ姿勢で重心動揺検査を行い比較検討した。検査にはアニマ重心動揺解析システムG5500を使用した。測定時間は30秒とし、最大左右径、最大前後径、総軌跡長、軌跡面積の4項目を測定した。その結果、めまいのない正常例では、頭振を負荷することは重心動揺検査結果に有意な差をもたらさなかった。しかし、頭振後眼振の認められた一側性迷路機能障害例では、頭振を負荷することで最大前後径、軌跡面積において重心動揺検査結果に有意な差を認めた。潜在的な眼振がある症例では、頭振負荷によって潜在的な身体平衡異常があらわれることがわかった。振り向く、左右を確認する、動作に伴うふらつきは従来の静的な検査ではとらえ難かったが、頭振を負荷することで他覚的に知ることができると思われた。
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