1995 Fiscal Year Annual Research Report
軸索切断後の中枢神経細胞の変性抑止と軸索再生に関する研究
Project/Area Number |
07771553
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
尾木 明子 横浜市立大学, 医学部, 助手 (90264655)
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Keywords | 網膜神経節細胞 / 軸索再生 |
Research Abstract |
実験動物として成熟ラットを用い、脳固定装置にて頭部を固定後、開頭し、上丘にDil,RITC,fast blue等の蛍光色素の注入を行なった。蛍光色素は視神経すなわち網膜神経節細胞の軸索を逆行性に伝わり、神経節細胞の細胞体を標識することができる。その後、実験動物を飼育し、標識後約2週間で実験動物の視神経を麻酔下にて、眼窩内で血管系に影響を与えないように切断した。また,硝子体内注入法にて硝子体に成長因子などの神経活性化因子を注入し、数日間飼育したのち、その眼球を摘出した。網膜を単離し、蛍光顕微鏡にて標識された神経節細胞を観察し、その生存数を計測した。この方法により、軸索切断後の神経節細胞の変性による細胞数の減少を硝子体内に注入した物質が如何にその変性を抑止しうるかを検討中である。すなわち、神経変性過程における抑止因子、促進因子の解明をめざしている。またCollagen培養法などを用いて、これらの網膜神経組織を培養し、経時的に網膜神経細胞からの神経突起の再生を直接顕微鏡下に観察,記録している。この培養液に、様々な物質を添加し、及ぼす影響を検討することにより神経再生における促進因子・抑制因子を解明するべく努めている。このように網膜神経細胞における神経変性抑止および神経再生現象を解析し、神経再生に至適な条件を探求し、神経再生の促進因子・抑制因子の網膜内での作用機序を解明して再生のメカニズムを探求しているが、若干の知見を得ているものの今だに全容を明らかにするには遠く、今後の研究を必要としている。
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