1995 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性視神経症実験モデルにおけるカルシウム拮抗薬の効果
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07771573
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
小林 豊 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50186780)
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Keywords | 視神経 / 虚血 / カルシウム拮抗薬 |
Research Abstract |
視神経虚血モデルの作製を以下の如くに行った。腹腔麻酔下でWister系ラットの両側椎骨動脈の起始部を露出し、結紮離断した。その後、両側総頸動脈の起始部を露出し、杉田式脳動脈クリップで1分間遮断した。血流を再開し、視神経の組織変化を経時的に観察するため、次の4群に分けて死殺した。 1)6から12時間後 2)24から48時間後 3)48から72時間後 4)4から5日後 摘出した視神経をヘマトキシリン・エオジン染色し、光学顕微鏡による観察を行った。6から12時間後のグループでは、神経細胞は腫腸し、染色性が低下していた。病変が進行するにつれて神経細胞は萎縮し、原形質はエオジン好性となった。24から48時間後のグループでは、白血球の血管外への遊走がみられた。48から72時間後のグループでは、小膠細胞や大食細胞の増殖がみられた。また、軟化巣や嚢胞の形成も認めた。4から5日後のグループでは、破壊された組織内に網目状に長い、幅広い細胞突起を多数形成する星状膠細胞の増殖による瘢痕形成(グリオーシス)が認められた。 以上の経時的病理学的所見は、定型的な神経細胞の乏血性変化と考えられた。現在、視神経虚血モデルを用いてカルシウム拮抗剤、ステロイド剤、血小板凝集抑制剤の投与による組織変化の観察を行っている。今後はさらに、透過型電子顕微鏡及び走査型電子顕微鏡を用いて、血管内皮細胞の病理形態変化を観察する予定である。
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