1995 Fiscal Year Annual Research Report
難治性翼状片及び瞼球癒着に対する培養結膜を用いた新しい手術法の基礎的研究
Project/Area Number |
07771589
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
藤東 祥子 久留米大学, 医学部, 助手 (30229017)
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Keywords | 培養結膜 / 翼状片 / 瞼球癒着 / 白色家兎 / 同種移植 |
Research Abstract |
白色家兎の健常球結膜を採取し、トリプシン処理を行い、翌日分散した結膜細胞を1-2×104cell/cm2の濃度でマイトマイシンcで処理した3T3 cell feeder layer上に撒いた。Dulbecco's modified Eagle's medium-highglucose(DME)培地及び20%ウシ胎児血清(FCS)を含む培地にcholera toxin 10ng/ml,hydrocortisone 0.5μg/mlを加えて、37℃、5%CO2下で培養した。1回目の培地交換より新たにhuman epidermal growth factor 10ng/mlを添加した。表皮細胞のcolonyができてからCa++を含まないDME培地およびchelex-100で処理したFCSをもちいて0.1MCa++濃度で培養を維持をおこなった。その後培地中のCa++を1.8mMまで上げた。以上の方法で白色家兎の結膜は順調に培養された。 培養結膜は培養移植当日200P.U./ml濃度のDispase溶液に約40分浸し、シャーレ辺縁の結膜が浮き上がってきたのを確認して溶液を除いた。シャーレの大きさに切ったキャリアーを培養結膜の上にのせ結膜とキャリアーをピンセットでつまみ、シャーレからはがした。キャリアーに付着した培養結膜は移植手術に用いることが十分可能であった。 白色家兎の球結膜上方約5mm^2を切除し、培養結膜をキャリアーごと切除部位に同種移植した。 移植後、2日後、1週間後、2週間後、1カ月後に外眼部の写真撮影、1カ月後に眼球摘出、組織標本の作成をおこなった。肉眼的に拒絶反応や感染をおこしたものはなかった。 1カ月後の摘出組織のH-E染色では移植片と母結膜の区別がつかなくなっており、炎症細胞の浸潤などもほとんどみられなかった。これは家兎の創傷治癒が人眼と異なるためと思われ、評価を行う時期についての検討、およびモデルとなる動物を変更する必要があると思われた。また免疫染色をあわせ行い、いかなる細胞が優位になっているかを観察すべきと思われた。 今年度はキャリアーとしてコラーゲン膜を使用し特に問題がなかった。
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