1995 Fiscal Year Annual Research Report
3次元画像を用いた頭頚部悪性腫瘍の放射線治療計画に関する研究
Project/Area Number |
07771718
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
江口 徹 日本歯科大学, 新潟歯学部, 講師 (40203624)
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Keywords | 放射線治療 / 3次元画像 / 悪性腫瘍 / CT |
Research Abstract |
本研究は、CT画像上に映し出された悪性腫瘍病巣を3次元的に描出し、その悪性腫瘍病巣に放射線治療装置の照射ビームを如何にマッチングさせるかが、一つの課題であった。CT画像を基礎として放射線治療計画を立てることは、現在、一般的に行われている治療計画立案方法の中では、最も優れたものの一つである。しかし、軸位断(体軸に対して垂直)画像を基調とした場合、体軸に対して前後左右的には病巣の把握が容易だが、上下的な病巣の把握は困難で、本研究でも最も大きな問題点であった。そのため放射線治療分野に3次元画像の導入を試みたわけだが、やはり、軸位断画像が基調の3次元画像では、根本的な解決にはならなかった。そこで、本研究では前額断(体軸に対して平行)画像を3次元画像に組み込むこと新たに考えた。ところがCTでは装置の構造上、厳密な前額断画像が不可能である。さらにそこで、MRI画像から3次元画像を構築するようにした。具体的には、軸位断MRI画像で3次元画像を構築してから、その画像を前額断画像で修正するという方法をとった。この方法により、悪性腫瘍病を3次元的に描出できた。しかし、MRI画像を用いることで、第2の問題が生じた。それは、放射線治療計画装置がCT画像で行うのに対して、治療計画確認の装置はMRI画像で行っているということである。現段階では、術者の肉眼による解剖学的指標を目安として、MRI画像から構築した3次元画像で照射ビームの確認を行っているが、この方法では、正確さを欠く危惧が残る。今後の課題は、CT画像とMRI画像をコンピュータ上で一致させることである。
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