1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07771726
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮 豊 東北大学, 歯学部, 助手 (10261520)
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Keywords | 酸化電位水 / 酸化還元電位 / 殺菌 |
Research Abstract |
一般に、酸化電位水は酸化還元電位(ORP)が1,100mV以上に保たれていれば十分な殺菌・殺ウイルス効果を有するとされている。そこで酸化電位水を1.開放容器で室温保存した場合、2.密閉遮光容器で室温保存した場合、3.密閉遮光容器で低温(約4℃)で保存した場合の3条件にて経時的なORPの変化を測定した。1.の条件では5日で、2.の条件では14日で1,100mVを下回ったが、3.の条件では4カ月経過しても1,100mV以上のレベルを保っていた。 さらに、酸化電位水は少量の血液や唾液などの有機物によって汚染されると、その活性を著しくそこなうことから、調整直後の酸化電位水100mlに対し、各種有機化合物の水溶液を各々滴下して、ORPおよびpHの変化を測定した。ORPにおいては、D-グルコース、デキストランといった糖類や、マレイン酸、ステアリン酸といった脂肪酸を滴下しても大きな変化は認められなかったが、L-グルタミン酸、DL-α-アラニン、D-アルギニンといったアミノ酸や尿素、アンモニア水では急激に低下した。pHにおいては、滴下した水溶液自体のpHが高いアンモニア水と、D-アルギニンを除き、糖類、脂肪酸、アミノ酸、尿素いずれを滴下しても著明な変化は認められず、ある程度有機化合物が混入してもpHは低いレベルに保たれていた。 今後は、酸化電位水中に溶存している残留塩素に目を向け、残留塩素濃度の異なる酸化電位水を生成して殺菌・殺ウイルス効果と濃度との相関関係について研究し、さらに人体に対する為害性の有無についても検討を加えていく予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 宮 豊 他: "酸化電位水の反応と劣化" 日本歯科保存学雑誌. 38. 11 (1995)
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[Publications] 宮 豊: "酸化電位水の保存法と効力の持続性" デンタルダイヤモンド. 臨時増刊号. 52-55 (1995)
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[Publications] 宮 豊: "酸化電位水の使用法" デンタルダイヤモンド. 臨時増刊号. 62-63 (1995)