1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07771846
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
若林 元 岡山大学, 歯学部, 助手 (50252979)
|
Keywords | 接着性レジン / 接着強さ / プライマー / 接着耐久性 |
Research Abstract |
歯質接着性レジンをクラウン・ブリッジの合着に用いるとクラウンマージンの辺縁漏洩が抑制でき、機能期間の延長につながる。しかし、接着の対称になる象牙質は水分や有機質を多く含有しているため接着を困難にしている。そこで被着面処理として用いるプライマーの反応性を高めるため、超音波振動により、モノマーを効率良くコラーゲン層内に浸透、拡散させ、辺縁漏洩を最少にする接着強化法を考案した。 (結果) 1.牛歯象牙質に対する接着強さ:被着面処理にHEMA,MDP,MASA/水系プライマー(EDプライマー)を塗布後、超音波振動を異なる時間作用させ、60秒後に接着性レジン(パナビア21)を接着した。接着強さは、10秒作用で8.2MPa、30秒作用で10.6MPa、60秒作用で9.5MPaと作用時間の延長とともに接着強さは向上する傾向を示した。 2.牛歯象牙質に対する接着耐久性:1.と同法で接着し、4℃-60℃のサーマルサイクリング試験を10,000回行なった。接着強さは超音波振動10および60秒作用した場合、5,000回までは約8.0MPa以上の接着強さを示したが、10,000回後では10秒作用で6.9MPaと低下みられたが、60秒作用では8.9MPaと初期値を維持した。 3.接着界面の観察:EDプライマー塗布後、超音波振動を60秒間作用させた象牙質とパナビア21との接着界面付近をSEM観察した結果、象牙質に生成した接着強さの向上に有効な樹脂含浸層が0.5μm観察された。今後はさらに超音波振動がなぜ接着強さの向上に寄与するかについて研究を行なう予定である。
|