Research Abstract |
1.in vitroでの義歯裏装材の経時的変化 1)表面粗さ NTL,KL,TR,TLRでは水中および義歯洗浄剤浸漬ともにRaが経時的に増加した.特にNTLとKLは30日間まで大きく増加し,TR,TLRはわずかに変化した.一方,R,RLCはほとんど変化を示さなかった. 2)色調変化 水中浸漬では,NTLとKLが大きな色調変化を示したが,他は大きな変化を示さなかった.義歯洗浄剤浸漬では,NTL,KL,R,TRにおいて,ΔE*abが増加した.TLR,RLCはほとんど変化を示さなかった.いずれも化学重合型の方が,光重合型に比べて大きな変化を示した. 3)色素侵入試験 R,NTL,KL,RLCは辺縁からの色素侵入を認めたが,TR,TLRはほとんど認めなかった. 2.in vivoでの義歯裏装材の経時的変化 30日後TRでは変色が59%,着色が21%に認められた.90日後では94%に変色が増え,剥離するものも多くなり表面の粗造化を呈するものが71%となった.TLRでは,90日後になると変色,着色,粗造化が認められるようになったが,剥離は少数であった.180日経過すると,TR,TLRのほとんどすべてに変色,粗造化を認めた.特に化学重合型において変色,着色,剥離,粗造化を呈するものが早期に増加し,in vitroの結果を反映した. 以上の結果から,直接義歯裏装材の長期使用に際しては,90日程度までは光重合型の方が比較的良好な結果が得られることが示唆された.
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