1995 Fiscal Year Annual Research Report
マウスガード装着が顎筋活動に及ぼす憎悪因子について
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07771875
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
伊東 真 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (20265169)
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Keywords | マウスガード / 咀嚼筋 / 筋電図 |
Research Abstract |
マウスガードは、本来スポーツにおいて発生する歯ならびに周囲組織の外傷を予防する目的で作られたものである。最近ではマウスガード装着により、競技能力の向上がみられるという報告もあり、障害の予防に関する研究に加え、運動能力への影響といった研究も多数行われている。しかし、これらはすべてマウスガード装着の有用性についてのみの報告であり、マウスガード装着の為害性についての報告はみられない。このことから、本研究では、マウスガード装着により、生理的な影響が及ぼされると考えられる顎筋活動についてマウスガード装着の前(コントロール)後で、筋電図学的に検索した。 顎口腔系に異常を認めない成人男子6名を対象とし、両側の咬筋、側頭筋前部および後部の6筋から筋電図を誘導、5秒間の最大咬みしめを行わせ、平均電位、非対称性指数などを比較検討した。 マウスガード装着後の咬みしめ時平均電位は1名で減少したが、他のすべての被検者で著しく増強した。また、両側同名筋から求めた非対称性指数は、マウスガード装着前には咬筋、側頭筋前部および後部でそれぞれ16.5, 13.3, 16.4であったのが、装着後には14.5, 19.2, 11.3と側頭筋前部以外で減少傾向を示し、今回の実験条件下では、顎筋活動のバランスの面からみて必ずしもマウスガード装着が憎悪因子になるとは考えられなかった。今後マウスガードの材質の種類や咬合挙上の量などを変化させ、さらに詳細に検討する予定である。
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