1995 Fiscal Year Annual Research Report
表面性状がキャスタブルセラミックスの機械的性質に及ぼす影響-臨床歯冠形態における検討-
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07771890
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
古谷 彰伸 昭和大学, 歯学部・第1歯科補綴学教室, 助手 (40266177)
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Keywords | キャスタブルセラミックス / 表面性状 / ステイニング / 臨床歯冠形態 / オールセラミッククラウン |
Research Abstract |
キャスタブルセラミックス(オリンパス光学工業,以下OCCと略す)の表面性状が,臨床歯冠形態の前歯部オールセラミッククラウンの機械的性質に及ぼす影響について明らかにする目的で,研磨処理のみ行った試料,ステイニング処理を施した試料の破壊強度を比較検討した.OCCインゴットはOCS-3タイプで,ステイン材としてDuceratinとNoritake Super Porcelain Titanの2種類を使用した. 前歯に全周ショルダー形成した高さ約7.8mmの支台歯(金銀パラジュウム製)上に,切縁部1.5mm,軸面1.0mm,マージン部0.8mmの厚さのOCC製オールセラミッククラウンをOCCマニュアル指定の標準プログラムに従い鋳造,作製した.セラミング温度は900℃とした.研磨試料はシリコーンホイール(セラモホイール,井上アタッチメント)で研磨した後,更にダイアモンドペースト(ポーセレンル-ジューD,ハイデンタルサービス)で研磨したもので,ステイニング試料はシリコーンホイール研磨後,ステイニング面をアルミナサンドブラスト処理後ステイン塗布,焼成を行なった.ステイニングは最終温度を800℃にして,昇温速度は毎分35℃にした.各試料内面をシランカップリング処理(クリアフィルポーセレンボンド,クラレ)した後,化学重合型接着性レジンセメント(パナビア21,クラレ)にて金属支台に合着した.先端直径1.7mmの加圧子にて舌側基底結節部中央に歯軸45°の角度で荷重を加え,セラミックが破壊した荷重を破壊強度とした. ステイニング試料の破壊強度は研磨試料と比べて減少した.ステイン材自体の機械的性質が大きく影響していることが示唆され,ステイニングが必要な歯牙に対するOCCの適用に考慮が必要と思われた.
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