1995 Fiscal Year Annual Research Report
天然歯透明感の両眼視差時心理的評価とステレオセンシングマシンの感度との比較研究
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07771894
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
比米 晴信 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (30256896)
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Keywords | 両眼立体視 / マシンビジョン / 透明感 |
Research Abstract |
1、ステレオスライドビュアーの規格化 光学部(スライド前部) 全反射プリズム2個を空気間隔をおいて対照に位置付け 左眼用スライド、右眼用スライドをそれぞれのプリズム面に送り込み 左右独立に二次元像を呈示する。左右の二次元像から得られる両眼視差により立体像を被験者に認識させる。偏光フィルタをスライドープリズム間及びプリズム-角膜間に設置し対側眼用のスライド画像が混入する事を避ける。 フィルム送り部(ステレオスライドの送り機構の説明) 35mmカメラフィルム移動機構を改造しプリズム部に連続してスライドフィルムを投影する。2台の同フィルム移動機構は微動装置により上下及び回転方向に相対的位置の調節が可能であり、より鮮明な立体視が可能である。 観測室(被験者の環境) 90×90×180cmの完全遮光室の中に被験者は位置する。前述の偏光フィルタをゴ-グルのレンズ部に入れたものを遮光室のフレームに固定する。(ゴ-グルは観察距離の規定と頭部の固定、左右画像の他眼への混入防止のため。)被験者はこのゴ-グル越しにプリズム内の立体像を観測する。 以上、ステレオスライドビュアーの規格化は完成した。 2、ステレオ写真撮影装置の規格化 カメラ・レンズ部 オリンパス社製ズイコ-マクロ135mm・オートベローズ・OM4×2セットとツインカメラプレート・マイクロアジャスター・三脚のセットアップによりステレオ写真の同時撮影が可能となった。 口腔内規格装置部 撮影範囲及び焦点深度を規定しうる消毒可能なステンレスプレートを歯科用レジンシーネで口腔内で固定する。ステンレスプレートの他端を上述のカメラ・レンズ部に連結固定する事により、口腔内の天然歯の左右眼用ステレオスライドを2枚同時に等倍大で撮影できた。 以上により、ステレオ写真撮影装置の規格化が完成した。 3、天然歯及び人工歯の実態像と、ステレオスライドビュアーにより呈示された虚像の視感比較 ステレオスライドビュアーにより呈示された虚像の視感は空間的に実体と同じであった。奥行認知にかかわる視覚的てがかりを操作するために用いられたコンピュータ画像処理ソフトウエアのフィルターの幾つかは、得たい虚像以外に薄い膜が手前に視覚されるなど観測の障害となった。 以上、コンピュータ画像処理技術で視覚的手がかりを操作することにより得られた1組のステレオ写真が、両眼立体の心理的評価に耐えうるものであるが更に検討を加える必要があると思われる。
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