1995 Fiscal Year Annual Research Report
スタビリゼーション型スプリント装着が顎顔面頸部領域の血流に及ぼす影響
Project/Area Number |
07771896
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
萩原 正明 日本大学, 歯学部, 助手 (90237909)
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Keywords | 顎関節症 / オクル-ザル・スプリント / 血流 / 筋電図 |
Research Abstract |
まず、顎関節症患者を等教室所有の「頭蓋下顎機能障害プロトコール」に従い診査・診断し、咀嚼筋障害を主病変とする顎関節症I型患者11名(男性4名、女性7名)を“患者群"として選択した。発症の時期および期間などは、患者によって異なっていた。また、過去に顎関節部に疼痛、雑音等の異常を認めた経験がなく、現在も顎口腔系に異常を認めない本学歯学部学生および教職員15名(男性11名、女性4名)を“正常者群"として選択した。測定は、シールド室内にて行った。筋放電活動の導出は、各患者および正常者の左右咬筋浅部および側頭筋前部に銀製表面皿電極を設置し行った。血流の測定部位は、レーザー血流型の付属器機であるプローブを両側顎関節部(顎動脈および浅側頭動脈相当部)および咬筋中央部(顔面横動脈相当部)とした。各患者および正常者に5秒間の最大咬合持続とタッピング運動(毎分90回)を30秒間持続させ、各運動中の筋活動と運動直後の血流状態を疲労に注意し、5回測定した。さらに患者群に関しては、スタビリゼーション型スプリントを装着し、装着直後、3日後、1週間後、2週間後および1か月後に同様の測定を行った。 患者群および正常者群ともに、咀嚼筋筋活動量は男女間で有意差(P<0.05)は認められなかったが、男性の方が高くなる傾向を示した。両群間の比較では、患者群の筋活動量(患側)が咬筋、側頭筋ともに増加していた(P<0.05)。血流に関しては、両群とも性差は認められず、両群間の比較では、顎関節部、咬筋中央部ともに血流状態に一定の傾向は認められなかった(P<0.05)。健側・患側間の比較においても両者間に有意な差は認められなかった。スプリント装着後では、経日的に咀嚼筋筋活動量は減少する傾向を示し、特に患側において著明であった。血流に関しては、経日的な変化に一定の傾向は認められなかったが、その標準偏差は減少する傾向を示した。 今後は、他の部位の血流と咀嚼筋群との相関性を検討する必要性があると思われる。
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