1995 Fiscal Year Annual Research Report
微小電流刺激による同種骨の骨形成に関する実験的研究
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07771970
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
和田 和郎 奥羽大学, 歯学部・口腔外科学第2講座, 助手 (10191818)
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Keywords | 骨移植 / 同種骨 / EPTFE / 自家骨 / 微小電流刺激 |
Research Abstract |
ラットの下顎下縁に方形状の骨欠損を作成し対照側は新鮮自家脛骨を移植、実験側は移植骨並びに周囲下顎骨下縁を含めてExpanded Polytetra Fluoro Ethylene (EPTFE)で被覆し検索材料とした。 軟X線写真により1週例、2週例の実験側、対照側はともに変化なく、骨性連絡は確認できなかった。4週例になると対照側には一部骨性連絡がみられたが実験側には対照側に比べあまり見られなかった。8週例になると骨性連絡が進行し対照側に比べ実験側では母床骨に骨の新生が認められた。12週例の実験側においては骨性連絡は完成し、母床骨移植骨周囲に骨の新生が見られたが、対照側では骨の新生は少なかった。 組織学的検索において1週例ではともに移植骨周囲に炎症細胞がみられるので、骨の新生は認められなかった。新生骨による移植骨と母床骨の骨性連絡は実験側で4週、対照側で2週と対照側の方が早期に始まるのが認められた。4週例の実験側では母床骨周囲に新生骨の添加がみられたが、対象側にはこの所見はみられなかった。骨性連絡の完成は実験側で8週、対象側では4週でほぼ完成した。8週例になると、実験側において4週例でみられた母床骨周囲の骨新生がさらに進み、対照側では母床骨周囲への骨の新生は殆ど見られなかった。12週では実験側および対照側共に骨性連絡は完成していた。実験側はEPTFEの位置まで骨新生が起こり、それに対して対照側は下顎骨下縁まで増加せず、骨性連絡した移植骨に吸収が起こった。すなわち、母床骨と移植骨の骨性連絡は対照側で早期に始まり、実験側は骨の新生による骨の増加が観察された。今後は酵素抗体法やBrdUを用い検討を行いさらに脱灰凍結乾燥骨にEPTFEを被覆し上記と比較検討予定である。
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