1995 Fiscal Year Annual Research Report
開口時回転パノラマ撮影法による顎関節症III型診断へのファジィ推論の応用
Project/Area Number |
07772005
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
福富 義一 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (80258590)
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Keywords | パノラマ・エックス線写真 / 顎関節症 / ファジィ推論 |
Research Abstract |
ファジィ推論による診断システムを構築するために、システムの中核となるメンバーシップ関数を作成しなければならない。このため、パノラマ写真で直感的に判断している項目を整理する必要がある。その判断基準に関与する項目は、骨変形に関するものとして(1)下顎頭内側部の形態、および外側骨皮質線からの評価、(2)(1)の下顎頭評価に関節隆起内外側の最下点付近の形態の重みを加えたもの、また関節円板動態異常に関するものとして(3)下顎頭内側頭頂と内外側の関節隆起の位置、および内側関節隆起最下点に対する内側下顎頭頂の前後的位置に関する評価、(4)(3)の関節運動性の評価に下顎頭の立ち上がり角度の荷重を加えたもの、の4項目とした。この判断基準である4項目に属する6項目の各々について、個々のデータを本来はVAS(ビジュアルアナログスケール)を用いるべきであるが、時間の都合上、数値化し重心を求めず、数量化して同じ[If then] ruleを使って4段階の判定を行った。使用した資料は、91名の被験者による一人につき3種類の中顔面のみ規格化されたパノラマ写真(実質開口距離;20mm、30mm、40mm)、計273枚のフィルムである。このデータを用いて、触診だけによる左右顎関節の臨床診断との整合性を分析し、触診による判定の特徴とファジ-・システムを構築するベースとなる判断基準の有効性を両者の関係を用いて検討した。検討は、両側下顎頭のパノラマ診断が一致する群(運動制限のある群と骨変形のある群、運動制限のなし群と骨変形のなし群)と不一致群(運動制限の左右差のある群、骨変形の左右差のある群)に対して、それぞれ触診で左右下顎頭が協調した運動を示した群と不協調群の個数を算出して行った。今後、本結果を報告するとともに、確定診断となるMRIと開口時のパノラマエックス線写真の揃った20例の症例を追加し、メンバーシップ関数を設定し、非ファジィ化して数値データを求めた後に、この資料をさらに検討し、追加報告する予定である。
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