1995 Fiscal Year Annual Research Report
近交系マウスにおけるA. Viscosusの伝播と定着に関する研究
Project/Area Number |
07772055
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
吉田 明弘 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (20241101)
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Keywords | 近交系マウス / 歯周病 / 定着 / 伝播 / Actinomyces Viscosus |
Research Abstract |
申請者は48日齢のAKR/Jマウス(ハプロタイプ:k型)とC57BL/10Jマウス(ハプロタイプ:b型)を対象にこれらのマウスにActinomyces viscosus T14-Vi(以後A. v.とする)を経口感染させ、その定着状態を経時的に検討した。さらに、それらのマウスに同日齢でハプロタイプの異なったマウスおよび同型のマウスを同一ケージに入れ飼育し、その伝播の状態を経時的に試料採取し以下の結果を得た。 1.A. v.の経口感染後、AKR/Jマウス(k型)口腔内の総菌数に対するA. v.の比率は感染成立当所から数ヶ月間1〜2%であった。また、C57BL/10Jマウス(b型)口腔内の総菌数に対するA. v.の比率は感染直後5%前後であったが、1ヶ月後より10〜20%となりその後その比率を維持した。2.感染群AKR/Jマウスケージ内に同系統の非感染群AKR/Jマウスを同居させた群では口腔内の総菌数に対するA. v.の比率は伝播率であった。また、異系統の非感染群C57BL/10Jマウスを同居させた群では口腔内の総歯数に対するA. V.の比率は同じように1%前後であった。一方、感染群C57BL/10Jマウスケージ内に異系統の非感染群AKR/Jマウスを同居させた群では口腔内の総菌数に対するA. v.の比率は1〜2%であった。また、同系統の非感染群C57BL/10Jマウス口腔内の総菌数に対するA. v.の比率は10〜15%であった。 以上の結果よりAKR/JマウスよりC57BK/10Jマウスに定着および伝播しやすく、感染群マウスのA. v.の比率が高いほど非感染群に伝播されやすい。またA. v.の定着、伝播には、H-2が強く関与していることが示唆された。
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