1995 Fiscal Year Annual Research Report
テトラフルオロボレイトアニオンをフッ素源として用いる電解フッ素化反応の開発
Project/Area Number |
07772099
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 初男 大阪大学, 薬学部, 助手 (00229311)
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Keywords | アルコキシトリフェニルホスホニウム塩 / テトラフルオロボレイトアニオン / 熱分解反応 / フッ素化反応 / フッ化糖類 |
Research Abstract |
これまで、様々な二級アルコールを、Ph_3PおよびPh_3PH・BF_4共存下、CH_2Cl_2中で電解し、溶媒留去して得られる粗アルコキシトリフェニルホスホニウムテトラフルオロボレイト(I)をTHF中を加熱還流することにより、オレフィン体が副生するものの、対応するするフッ素化体が良好な収率で得られることを見いだしいる。本申請研究の目的である(1)このIの熱分解によるフッ素化体の合成の一般性の確立、ならびに(2)近年その生理活性が注目されているオリゴ糖の合成に欠かせないフッ化糖類の一般的な新規合成法としての本反応の有用性を評価するため、まず一級アルコール類のフッ素化反応について検討を行った。その結果、一級アルコール由来のIはDMEまたはジオキサン中加熱還流することにより対応するフッ素化体が良好な収率で得られること、特にジオキサンを溶媒に用いると短時間で反応が完結することを見いだし、本フッ素化反応が二級だけでなく一級アルコールにも適用可能であることが明らかにした。さらに、本手法の、糖類のアノマー水酸基の立体選択的フッ素化反応としての可能性を検討するため、2,3:5,6-ジ-O-イソプロピリデン-α-D-マノフラノースを用いて、そのものをPh_3PおよびPh_3PH・BF_4共存下、CH_2Cl_2中で電解したところ、対応するα-フッ素化体が35%の収率で立体選択的に得られ、糖類の場合、熱分解を要することなくホスホニウム塩Iを経るフッ素化反応が進行することを見いだした。そこで、本電解フッ素化反応について種々条件検討を行ったところ、溶媒としてCH_2Cl_2-DME(5:1)を用いると75%の高収率で、フッ素化体が生成することを明らかにした。現在、本電解フッ素化反応のフッ化糖の一般的な新規合成反応をしての有用性の確立するため、他の糖類のアノマー水酸基のフッ素化反応について引き続き検討中である。
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