1995 Fiscal Year Annual Research Report
第一子誕生に伴う家族のストレス認知と対処に関する要因の分析
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07772272
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
川畑 摩紀枝 神戸大学, 医学部, 講師 (60177730)
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Keywords | 家族 / ストレス・コーピング / 役割移行 / 育児 / 乳幼児 |
Research Abstract |
今回の研究の成果は, 1.第一子誕生時の核家族において,出産後3か月-4か月の父親・母親への役割移行に伴うストレス認知として抽出された内容は,母親は「精神的支持の不足」「閉鎖的環境による問題解決の手がかりの不足」,父親は「パートナーから期待されている役割への不適応」,夫婦としては「新しい生活方法に対する両者の認識の不一致」「新しい生活への適応の差」などであった. 2.認知内容に伴う家族のコーピングとして抽出された内容は,母親は「親役割の獲得に対する優位な認識」「時間的余裕の確保」「自分の体験相対化」、父親は「夫の役割の再認識化」「今までの生活への個執」、夫婦としては「パートナとしての役割の確認」「相手の役割の尊重」などが見られた. 家族のストレスは,役割移行に伴う困難な状況を相対化できているかどうか,また,父親が新しい役割を獲得できているかどうかにより異なることが明らかになった.家族の対処パターンとしては,役割移行に伴う状況を相対化できない家族は,夫婦が役割移行に対するお互いの認識の変化を強く求める傾向にあり、父親が役割獲得をできない家族は,伝統的な家族のあり方に固執する傾向がみられた.
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