1995 Fiscal Year Annual Research Report
食物繊維の調理加工による変化と食物繊維を添加した加工食品の性質
Project/Area Number |
07780022
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Research Institution | Fuji Women’s Junior College |
Principal Investigator |
小林 祐子 藤女子短期大学, 生活学科, 助教授 (30225669)
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Keywords | 食物繊維 / アスパラガス / 食パン / レオロジー |
Research Abstract |
食物繊維の重要性については広く浸透してきたが、日本人の食物繊維摂取量は十分とはいえない。そこで本研究では、食物繊維源としてアスパラガスを添加した食パンを製造し、アスパラガスの食パンへの利用性を検討した。実験方法は、生およびゆでたアスパラガスを凍結乾燥粉末とし、小麦粉に対してそれぞれ0,1,5,10%添加した食パンを製造し、比容積及びレオロジーを測定した。レオロジー測定には山電のクリープメーターを用いた。また官能検査によって色、外観、硬さ、歯触り、におい、おいしさ、総合評価の各項目について評点法によって評価した。 食パンの比容積は、ゆでたものを1%添加した場合にのみ無添加に比べて高い値となり、膨らみが良くなったことを示したが、それ以外はアスパラガス粉末の添加量が多くなるに従って比容積が低く、膨らみが悪くなった。レオロジー測定値から食パンの硬さをみると、生及びゆでとも1%添加の食パンは無添加の食パンとほぼ同値となり、硬さの面では良い結果となったが、5及び10%の添加では、生、ゆでとも無添加のものに比べ、有意に硬いという結果になった。官能検査の結果では、二元配置分散分析の結果、すべての評価項目において、試料間に有意差が認められた。それぞれの項目ごとに平均点をみると、生のアスパラガスの場合、外観以外の項目で、ゆでたものの場合では、外観、硬さの項目以外の項目で、添加量が少ないほど評価が高くなった。なお平均点の差から、ゆでたものを1%添加した場合は無添加とそれ程の差がなく、おいしく食べられることが示されたが、その他は食パンとしては適さないのではないかと考えられた。また食パン製造中の生地の状態から、アスパラガスには小麦粉のグルテン形成を抑制する作用があることが示唆された。従って、アスパラガス粉末はクッキーやケーキなど、グルテン形成を押さえた小麦粉製品に適すると考えられる。
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Research Products
(1 results)