Research Abstract |
マリ-・ヴィグマンのスケッチの図像的側面に関して,図像の描かれ方について考察を行なう。スケッチは,言葉と図像と相乗的な関係にある。イメージを形にするために,言葉を補うために図像があり,イメージをまず第1次的なものとして図像で表現し,補足的に言葉を記したり,双方からのイメージの書き出しとなっている。目的は,スケッチに描かれている図像を通じて,ヴィグマンのイメージをより明確に捉えようとすることであり,もう一つの目的は,イメージ画の考察いついてコンピュータ周辺機器の利用がどのように役立つものなのかを,検討することである。第1の目的についての結果は,まず,フィギュア(人物像)の描き方は,大きくシーンとして場面を捉えている場合には,針金人形や少し肉付けをしたフィギュアとなっている。また,時間的に幅を持った,大きな流れで描こうとしている場合には,点を布置して,軌跡を矢印で描いている。大きくシーンとして捉えている場合は,比較的創作に対する姿勢が安定しており,肯定的イメージを持って作品を創っている時であるといえる。それに,対して点で布置している場合は,流れがまだはっきりとしていない状態,検討の段階で描かれている場合が多い。第2の目的である,コンピュータ周辺機器の利用方法いついては,スケッチをデジタルカメラを用いて,パソコン上に取り込み,編集すると,紙の状態で資料として保持することに比べ,考察したい配列に組み変えることができるという利点がある。保管されている順番に,一観性を持たせたい場合には,パソコン上の一平面上に2枚以上30枚ぐらいまでは,並べることができる。また,編集機能を利用することによって,ある分類に応じて,簡便なやり方で配列を代えて一覧性のあるものにすることもできた。
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