1995 Fiscal Year Annual Research Report
都市環境騒音を背景としたヘリコプタのエンルート騒音の評価について
Project/Area Number |
07780467
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Research Institution | Kobayasi Institute of Physical Research |
Principal Investigator |
大島 俊也 社団法人小林理学研究所, 騒音振動研究室, 研究員 (50176872)
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Keywords | ヘリコプタ / うるささ / 聴感実験 / 環境騒音 / 等エネルギー原理 / 騒音暴露レベル |
Research Abstract |
近年、ヘリコプタ需要が増加する中で、飛行経路下に住む住民からの騒音苦情が目立ちはじめている。今回騒音データの収集を行なった地域でも騒音苦情が発生している地域は飛行経路下が中心となっている。聴感実験用のデータ収集に加えて、飛来するヘリコプタのいわゆるエンルート騒音の実情を把握することを目的に騒音計測と飛行経路の観測を実施した。2日間の測定の結果、通過したヘリコプタは36機であり、巡航高度は300〜700mであることが多かった。飛行経路下のヘリコプタ騒音は平均的な背景騒音より10〜20dB程度大きく、音響エネルギーで比較すると環境騒音に占めるヘリコプタ騒音の割合は今回の測定の範囲では最大で20%程度であるが、閑静な住宅街などではさらに割合が増える可能性もある。録音したデータを研究室に持ち返り、テープを編集した後、ラウドスピーカを用いて無響室内で音を再生し、うるささを判定する聴感実験を行った。聴感実験手法はME法(うるささに応じて数値を割り当てる)を用い、ヘリコプタ騒音を単独で再生した場合と、背景騒音として道路交通騒音など他の環境騒音を混入した場合とを比較検討した。その結果、ヘリコプタのエンルート騒音についても、騒音の総エネルギーに対応したL_<AE>が評価量として適当であり、ピークレベルよりも聴感との相関が良かった。この結果は平成2年度に環境庁が作成した小規模飛行場暫定指針で採用されたL_<den>の妥当性を裏付けるものである。また、環境騒音を混入した場合にはその分のエネルギーが加算されて評価されており、等エネルギー則が確認される結果となった。
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