1995 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカツメガエル胚の神経の発生におけるアクチビンの役割
Project/Area Number |
07780661
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
内山 英穂 横浜市立大学, 理学部, 助手 (10221110)
|
Keywords | 発生 / 中胚葉誘導 / 神経誘導 / アクチビン / 脳下垂体 / アフリカツメガエル |
Research Abstract |
本年度の研究計画は、以下に順次記述するように、3つに分けることができる。 1 抗アクチビン抗体を用いた神経系でのアクチビンの局在の研究 抗アクチビンβA、およびβBに対する抗体を作成し、オタマジャクシおよび成体の神経系の切片に反応させたところ、抗βB抗体が脳下垂体に顕著に反応した。このβB抗体陽性の細胞を、各種下垂体ホルモンに対する抗体を併用して調べたところ、GH産生細胞、TSH産生細胞、およびLH/FSH産生細胞と同定された。 2 △アクチビン受容体およびフォリスタチンの過剰発現と神経形成 アクチビンの機能を阻害した際の神経形成への影響を調べるため、△(ドミナント・ネガティブ)アクチビン受容体mRNAを初期胚に注射した。その結果、背側・中胚葉域および背側・内胚葉域に注射した時に最も少ない注射量で影響が出た。予定内胚葉域に注射すると、頭部神経分化不全を引き起こしたことから、アクチビンは咽頭内胚葉の分化を介して神経系の発生に関与する可能性が考えられる。 3 抗アクチビン受容体抗体の作成 ツメガエルのアクチビン受容体のアミノ酸配列を、相同性の高いTGF-β受容体比較したところ、細胞内のプロリン・リッチ領域が特徴的であった。この領域をMAPペプチドとしてカスタム合成し、ウサギ皮下およびラットの足に免疫したが、よい抗体が得られなかった。このため、この抗体を用いた電顕免疫組織化学実験は行えなかった。現在MAPではなく通常のキャリヤ-蛋白とのコンジュゲート作成を検討している。
|