1995 Fiscal Year Annual Research Report
-ドレイズ法の代替法・オパシトメーター法の開発-ブタ摘出角膜の保存液に関する研究
Project/Area Number |
07780757
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
佐藤 千晴 奥羽大学, 歯学部・歯科薬理学講座, 助手 (40265210)
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Keywords | ブタ角膜保存液 / ロック・リンゲル改良液 / ドレイズ法 / オパシトメーター法 / 塩酸リドカイン / 生理食塩液 / 角膜オパシティー% |
Research Abstract |
ドレイズ法の代替法・オパシトメーター法では摘出直後のブタ角膜を必要とするため,提供地から遠隔地での事件は不可能だった.ブタ角膜輸送を想定し,角膜を2日間保存後も実験に使用可能で経済的なブタ角膜保存液が必要である.今回,Locke-Ringer's (LR)液を改良し,経済的な保存液とするため検討を行った. A:LR液の改良 LR液基本組成としたm-LR-II(LR液+Sodium chondroitinsulfate5.0 HEPES buffer6.0 Albumine0.5 KH_2PO_40.144 NaCl適量 抗生物質/100ml, pH7.3,300mOsm)とm-LRIV(m-LRII組成をS.C.20.0 Alb.2.0 glucose1.0に変更)を作製した.角膜1片/保存液100ml,4℃において2日間保存した角膜を,生理食塩水を入れ,オパシトメーター法を行った.m-LR II保存角膜オパシティー%は新鮮角膜オパシティー%より1,2,4hr値で高い値を示したが,m-LR IV保存角膜オパシティー%は新鮮角膜オパシティー%と有意差は認められなかった.m-LR IV保存角膜についてlidocaine・HClを作用させた毒性実験でも新鮮角膜と有意差が生じなかった.m-LR IV2日間保存角膜はオパシトメーター法で使用できるといえる.しかし,m-LR IVはSodium chondroitin sulfateを多量に含有しているためコストがかかる.そこで,次にm-LR IIの改良(B)とm-LR IVの容量(C)を検討した. B:m-LR-IIの改良 m-LR-IIにコラーゲンの保護を目的に0.1%の割合でアスコルビン酸添加(m-LR-II-AA)を試みた.m-LR-II-AAの2日保存角膜に生理食塩液を作用されたオパシティー%,lidocaine・HClを作用させたオパシティーは新鮮角膜より4h値でのみわずかに高い値を示したにすぎなかった.m-LR-II-AA保存角膜においてもオパシトメーター法において使用可能の見通しがついてきた. C:m-LR-IV保存容量の検討 m-LR-IVを角膜1片につき50ml,25ml,12.5mlへと容量を減少させたところ,25mlまでは生理食塩液,lidocaine・HClともに新鮮角膜オパシティー%と有意差を生じなかった.m-LR-IV 25mlで角膜1片の保存が可能といえる.
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