1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07801027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Sapporo International University |
Principal Investigator |
中道 仁美 静修女子大学, 人文・社会学部, 助教授 (30254725)
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Keywords | 農村女性 / 主体的役割 / 家族協定 / パートナーシップ / 家事労働 |
Research Abstract |
今年(平成8年)度は、農林水産省が、農村女性の無年金状態を解消する1手段として、法律改正を行い、推進しようとしている家族協定について、群馬県前橋市において、農家への直接聞き取り調査を行った。現在の協定内容とその実態について、協定を結ぶに至った経緯、期待、協定によりどのような改善がみられたのか等について聞き取りを行った。北海道では、北海道農業会議所の担当者からパートナーシップについての現状と先進事例について聞き取りを行うとともに空知、十勝、上川地方で農家への直接インタヴューを行った。先進地事例として、清水町で一部の協定農家に再度聞き取り調査を行った。これと並行して、7月には、世界農村社会学会(ル-マニア)で、研究の途中ではあるが、これまでの日本の家族経営協定状況等について、日本の女性問題とともに報告した。 協定書の書式も市町村ごとに異なり、内容も経営委譲、労働報酬を主体に功労金というような年金に類似したものなど、多様で、その金額も特に定まっていないが、留意事項への書き込みや、自由記述方式への書き込み内容から、市町村の現状、農家の現状を反映しながらの緩やかな協定が必要であることがわかった。協定書の調印は1回のところが多いが、次第に協定範囲・対象も広がり、生活部分や、経営主の妻、後継者の妻へと広がっており、むしろ数年に一度は既述内容の再確認も含めて、見直すことが重要であり、この事は推進者も、農家も共通して認識していた。 9年度には、協定農家への聞き取り調査、文献資料等からの考察も含めてまとめに取り掛かる。なお、5月には、補充調査を行うつもりである。
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