1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07801053
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡村 秀典 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (20183246)
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Keywords | 青銅器 / 中国 / 殷墟遺跡群 / 図象記号 / 銘文 |
Research Abstract |
1 本年度は、本研究所が収集した中国青銅器関係の写真資料について、画像データーベースを作成する予定であった。しかし、本研究の採択が11月に追加決定され、スキャナーやハードデスクなどの必要な器材類が12月にようやく納品されるという事情により、データーベース作成の前準備として写真資料の整理にとどめ、本格的な画像入力は来年度におこなうことにした。 2 殷後期の都のあった河南安陽殷墟遺跡群について、その膨大な発掘調査報告と関連論文を収集し、整理をおこなった。武官村と侯家荘一帯には王陵墓とそれに付随する祭祀坑があり、その周辺の大司空、後岡、四盤磨、梅園荘、孝民屯などに青銅器を副葬した貴族層の墓地が広がっている。貴族墓地は、その分布から、大きく大司空の南の東区、小屯以西の西区、後岡の南の南区、という3区に分けられる。そのうち西区について、バーナードや葛英会らが青銅器の図象記号を用いて氏族関係を検討しているが、墓の向きや構造などの属性を考慮すると、図象記号=族という前提から議論するのではなく、さまざまな属性の相関を検討する必要性を感じた。 3 西周代の大型墓から出土した銘文のある青銅器を検討した。その結果、ひとつの墓に複数の人名や族名をもつ青銅器が混在していることが明らかになった。このことは図象記号=族という前提そのものの再検討が必要であることを教えている。 4 殷墟遺跡以外から出土した殷後期の青銅器資料を収集した。そのなかで図象記号をもつ青銅器は河南南部、山東、山西、河北・遼寧からまとまって出土しており、それをいま検討しているところである。
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