1996 Fiscal Year Final Research Report Summary
ホルモン遺伝子発現に関わるZnクラスタータンパク質・メタロチオネイン
Project/Area Number |
07804058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
生物形態・構造
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University (1996) St. Marianna University School of Medicine (1995) |
Principal Investigator |
服部 淳彦 東京医科歯科大学, 教養部, 助教授 (70183910)
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Project Period (FY) |
1995 – 1996
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Keywords | メタロチオネイン / ホルモン遺伝子発現 / in situ hybridization / 免疫組織化学 / GH / プロラクチン |
Research Abstract |
分化の基本骨格は,主としてある特定遺伝子の転写レベルの制御にある。この転写レベルの制御には,転写因子と呼ばれる一連のタンパク質が関与し,中でもステロイドホルモンのレセプターをはじめとする核内レセプターは,分子内にZnフィンガー構造をとる特徴的なタンパク質であり,金属であるZnが重要な役割を担っている。一方,メタロチオネイン(MT)は正常組織でもZnクラスタータンパク質として存在することが知られ,核内のレセプターとの間で何らかの機能関連が推測される。そこで,本研究では核内に出現するMTがいかなる働きをしているかを明らかにするために,正常ラット下垂体を用いて,各種ホルモン産生細胞とMTとの共存を免疫組織化学的手法および in situ hybridization法を用いて調べた。60日齢雄ラット1匹当たり5000〜9000個のGH細胞を調べたところ,0.44±0.15%の細胞の核においてMTが陽性であった。一方他のホルモン産生細胞においては,どの細胞もMTが共存している像は認められなかった。ラットGH産生細胞株であるMtT/Sに,E2,EGFおよびinsulinを複合作用させると,24時間目に急激にMTが発現し,それと時を同じくしてGHmRNA陽性細胞は有意に(p<0.01)減少し,PRLmRNA陽性細胞は有意に(p<0.01)増加することから,正常ラット下垂体における核内MT陽性GH細胞は、PRL細胞に変化する前段階の細胞である可能性が示唆された。現在胎仔期の下垂体GH細胞およびPRL細胞とMTとの関連を調べている。
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[Publications] Yamada,S,et al: "Pit-1 gene expression in human pituitary adenomas using the reverse transcription polymerase chain reaction method." Clin.Endocrinol. 45. 263-272 (1996)
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[Publications] Oishi,T,et al: "Retinal melatonin is not involved in corneal mitotic rhythms in the Japanese quail : Effects of formoguanamine hydrochloride and eye-lid suture." J.Pineal Res.21. 149-154 (1996)
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[Publications] 斎藤潤,佐々木繁治,服部淳彦: "熱ショックストレスによる成長ホルモン遺伝子発現-培養ラット下垂体細胞を用いた解析-" 聖マリアンナ医大誌. 24. 6-15 (1996)
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[Publications] Itoh,M,T.,Hattori,A.,and Sumi,Y.: "Hydroxyindole-o-methyltransferans activitty assay using high-performance liquid chromatography with fluorometric detection." J.Chromatography B. (in press).