1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07805055
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Research Institution | SHINSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山口 満 信州大学, 工学部, 講師 (20261232)
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Keywords | 景観 / 多義性 / 評価 / 全体 / 要素 / 駅 / 歩道 / 注目度 |
Research Abstract |
本研究は、景観を多義性という観点から捉え直して体系化することを目的としている。 首都圏近郊通勤駅の駅前広場と長野県長野市の歩道を対象とし、ある地点から見える全体の評価と複数の構成要素の評価とを、“好ましい-好ましくない"という形容詞対を用いた評定実験により得た。これらの結果から、まず、全体の評価を好ましくする構成要素の分析をおこなった。その結果、景観評価の多様な構造を示した。さらに、歩道景観において、各構成要素の評定が、面積といった物理的要因によるものなのか、注目度といった意味的要因によるものものなのか、といった、評定要因の分析をおこなった。その結果、歩道において、1.歩道左側の緑・歩道わきの建物・駐輪の評価が全体の評価に関係があること、2.看板・駐輪の評価はその面積により評価がされており、歩道右側の緑・歩道左側の緑・看板・駐輪の評価は「注目度」により評価されていること、以上2項目を示した。以上の分析から得られた結果をまとめ、1.全体の評価と構成要素との評価の関連性から、今後の空間整備における重点整備構成要素の整理、2.評価への影響が面積によるものと注目度によるものとが判別されたことによる、整備時に量的に整備すべき構成要素と注目度により整備すべき構成要素という視点からの構成要素の整理、以上2項目の整理をおこなった。 なお、注目度について、量によらず意味的に評価に影響する場合を示したわけであるが、その構造については今後の検討課題である。
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