1995 Fiscal Year Annual Research Report
高速液体クロマトグラフィー法による有機酸代謝異常症の診断法の確立と臨床応用
Project/Area Number |
07807077
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐倉 伸夫 広島大学, 医学部, 助教授 (00144832)
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Keywords | 有機酸 / 高速液体クロマトグラフィー |
Research Abstract |
小児尿を検体とする高速液体クロマトグラフィーによる有機酸分析法を確立した。パラトルエンスルフォン酸をイオン排除試薬とし、イオン交換カラムSCR102Hを使用するイオン排除クロマト法を基本として、有機酸を分離定性し、検出には、電気電動度検出器を用いた。 検出時にイオン排除試薬がそのままに検出器に流入すると有機酸は酸性で電離しないために、緩衝液を別系列のポンプで合流させ、中和し電離した後に、定量測定した。 カラムが1本では、分子量の小さい有機酸は泳動時間が近接して、分離が不十分であるので、2本を直列で用いた。このように工夫すれば、新生児尿中に排泄されるクエン酸、コハク酸、リンゴ酸などのTCA回路の有機酸、乳酸、ピルビン酸などの解糖系有機酸、アセト酢酸、βヒドロキシ酪酸などのケトン体、また、有機酸代謝異常症で排泄されるメチルマロン酸、プロピオン酸、イソ吉草酸、ホモゲンチジン酸、αケト酸など30種の有機酸が分離可能であった。 新生児尿はクレアチニン量が少ない希釈尿であるが、本法はクレアチニン1mg/dlの尿20μlで、検出可能であった。それ以上の希釈尿の際には、尿を酸性化した後、酢酸エチルで抽出し、測定すれば可能である。 次年度は、新生児のマススクリーニングに臨床応用するために、新生児尿で有機酸の正常値を決定し、診断の確定した患者尿を用いて、ガスクロマトグラフィー質量分析法に劣らない診断能を示すか否かを検討したい。
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Research Products
(1 results)