1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07808005
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Shiraumegakuen College |
Principal Investigator |
佐々 加代子 白梅学園短期大学, 保育科, 教授 (20113285)
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Keywords | コミニュケーション / コミニュケーション能力 / 弱者 / QOL / 援助 |
Research Abstract |
援助の対象者となるコミュニケーション能力弱者は、体力水準の階層からみた生命活動の階層Level3の乳幼児や障害児・者、病気の人たちだけではなく、問題を抱えている人を含むとした。乳幼児や患者本人だけではなくその育児・看護・介護に携わっている人たちを含めた。自分自身の生活の維持についてはやっていけても、保護すべき人を抱えたときに“生活すること"がその人のコミュニケーションの問題を作ることがある。弱者はこのような場合も含む。さまざまな状況のなかに起こってくるさまざまなコミュニケーションの問題に対してどのようにしたらいいのかという迷いを持つ、ということが弱者である、という見方をする。臨床専門職として患者や子どもたちとのかかわりの質的転換を図っても患者や子どもたちの日常への汎化にはまわりの人たちのかかわり方の内容の検討なくしてはQOLにはつながらない。発達の停滞などで見出される子どもの問題を“関係"のなかで起こったこととして一場面ごとに切り取りながら検討をした。乳幼児、発達遅滞児たちの場合にはその子どもたちの個の発達のおさえかたがわからないということが個の発達の速度と標準値とのズレに見えてきて、そのことが頭を支配し、今目の前のかかわりを考えるときに邪魔をしているということが多い。行動問題の子どもたちについては子どもの行動の容認(受容)を精一杯しているものの行動変容の糸口が見つからなくてヘトヘトになっている場合と、無視か攻撃的(いわゆる虐待)になるという場合にわけられた。かかわり方の問題はかかわる側の経験年数の長短に整理できない。その状況下でどのような判断をしたのかということが重要で、それはまさしく、佐々のコミュニケーションの基本的過程の箱の中身である。さまざまな事例の個別性と共通性についてまとめていくことで技法の抽出と弱者の種類による共通性及び援助のありかたの提言が可能となろう。
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Research Products
(1 results)