1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07808064
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
柳下 和夫 金沢工業大学, 工学部, 教授 (20239809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 宏明 金沢工業大学, 工学部, 教授 (90011056)
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Keywords | 人工降雨 / 砂漠緑化 / テクノロジーアセスメント / 太陽光利用 / 臨海砂漠 / 炭酸ガスの固定 / 水資源 / 好塩性植物 |
Research Abstract |
本研究は海に近い砂漠に雨を降らせようというものである。その方法は砂漠に近い海の表面に黒色物質を浮かべる。これが太陽光を全部吸収し海面の温度が上昇する。すると海水の蒸発が増える。一方砂漠にも黒色物質を撒いておくと太陽光が全部吸収される。すると地面の温度が上昇し空気は膨脹し軽くなる。そして上昇気流となる.その下は低気圧になる。そこへ海上の水蒸気が流れ込んでくる。すると上昇気流に引きずられて上昇する。そして上空で断熱膨脹し、温度が下がり雲ができて雨が降るというのである。 海に浮かべる物質としてどんなものが良いかいくつかの材料をテストした。水道水と塩水で差はあるが、黒色物質を浮かべると17%から28%も蒸発が加速されることが分かった。 一方砂漠の上にも黒色物質を撒くとどれくらい太陽光が吸収されるかを調べるために、世界各国の砂漠の砂を入手し光の反射率を測定した。その結果砂の色にもよるが1/3ないし2/3の反射率であった。これを黒く塗れば吸収されるエネルギーは1.5倍ないし2倍増え,その分だけ余計に空気を暖めることができる。 また一度砂漠緑化に成功すれば、植物からの蒸発水分により、自然の雨が降って緑化が持続するかどうかを,好塩性植物によるシミュレーションしたところ,雨量が増えることが分かった。上昇気流を起こすものとして,大火や雨乞いがあるが、その後雨が降ったかは定かではない。この方法で砂漠に雨を降らせば良いこと尽くめかというと、マイナス面もある。そこでテクノロジーアセスメントを行ない、問題点を抽出した。海の生態系に対する配慮が必要なことなどが分かった。海と砂漠の距離がどれくらい離れていても水蒸気が移動するかについては,実験に失敗し分からなかった。
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