1995 Fiscal Year Annual Research Report
肉食性腹足類の種内および種間関係-窃盗寄生を中心として
Project/Area Number |
07836014
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka International College |
Principal Investigator |
阿部 直哉 大阪国際女子短期大学, その他部局等, 助教授 (20222656)
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Keywords | 海洋生態学 / 種間関係 / 窃盗寄生 / 腹足類 / ヒメヨウラクガイ / シマレイシガイダマシ / ヒバリガイモドキ / 潮間帯 |
Research Abstract |
平成7年度に計画していた水中ビデオ撮影装置は一応の完成をみた。機器は水中カメラ、ケーブル、ビデオテープレコーダ、水中照明装置および電源から構成されている。水中カメタは50メートルのケーブルによってタイムラプスビデオレコーダー(24時間連続撮影可能)に接続される。野外での使用のため、大容量バッテリ-電源が接続されている。また、夜間撮影のための水中照明装置が付属している。当初の予定では赤外線カメラを使用することになっていたが、予算の関係で、高感度のカラーカメラとなった。本機器が特注であったこともあり、実際に機器を利用できたのは夏を過ぎてからであった。そのため、野外でのテスト撮影は11月現在で24時間しか行うことができなかったが、機器が正常に動作すること、得られた画像が十分解析に耐えられることが確かめられた。また、1例ではあるがアクキガイ類間で餌をめぐる争いを記録することができた。 窃盗寄生が寄主、宿主に与える影響を調べるための実験を7月から開始した。本年の実験はアクキガイ類の中で宿主となるシマレイシガイダマシ(以下、シマ)と寄生であるヒメヨウラクガイ(以下、ヒメ)に焦点を絞った。ヒメは野外でシマが穿孔した餌(ヒバリガイモドキ)をしばしば奪うと推測されている。野外および室内で、計8シリーズの実験を行った結果、ヒメを穿孔して捕食するタイプのシマと一緒にすると、1)ヒメの成長が高まること、2)シマは成長率に変化がないが捕食量が増えることが確かめられた。
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