1995 Fiscal Year Annual Research Report
潤滑膜破断の磁性流体及び表面被膜による制御方法の開発
Project/Area Number |
07855023
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
刀 東風 静岡大学, 工学部・機械工学科, 助教授 (70250678)
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Keywords | 流体潤滑 / 潤滑膜 / 磁場 / 磁性流体 / レイノルズ数 / 油膜破断 / 破断形状 / 波状 |
Research Abstract |
本研究では,流体潤滑における潤滑膜破断を磁性流体により制御する方法を検討することを目的としたが,潤滑膜破断の可視化観察により以下のことが明らかにされた. (1)油で潤滑する場合には,油膜破断線形状は動粘度及び回転数に大きく影響を受ける.回転数の変化に伴い油膜破断形状は直線形状から波状へそれから波状からfinger状へと移動する.レイノルズ数の増加とともに油膜破断位置は上流に移動し一定値に漸近する.この漸近値は油の種類及び最小すき間高さにより変化する.またfingerの長さが最大となるレイノルズ数が存在する.油膜発生点は高い回転数において最小すき間高さにも動粘度にもあまり影響を受けない.油膜破断点は軸回転数や動粘度あるいは最小すき間高さに大きく影響を受ける.すき間が大きいほど油膜破断位置は下流側へ移動する. (2)磁性流体で潤滑する場合には,磁場をかけない時に潤滑膜の流動状況は油とほぼ同じであるが,一方,磁性流体に磁場をかけると磁性流体の流動状況は磁場なしの場合に比べると大きく変化した.具体的には,回転数の変化に伴い破断形状は直線形状から波状へ,それから波状からfinger状へと移動する時の各臨界回転速度は磁場ありの場合では大きくない,各流動状況における波状数及びfinger数が減少することが明らかにされた.また,潤滑膜の破断点の位置は磁場ありなしと関係なく一定の位置に保つことが分かった.これらのことより強い磁場および磁場方向を適切に制御すれば油膜破断現象を抑える可能性があることが明らかにされた.
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