1995 Fiscal Year Annual Research Report
Gymnodinium A3の生産する細胞毒性多糖の構造解析
Project/Area Number |
07856022
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
松田 政広 香川大学, 農学部, 助手 (50253258)
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Keywords | 硫酸多糖 / ギムノディニウム / 細胞毒性 |
Research Abstract |
海洋性微細藻ギムノディニウムA3はESM培地、3,500lux、21.5℃、連続照射の条件で、前々培養(10ml)、前培養(300ml)、本培養(3L)で118日間静置培養により多糖を生産した。ガラス繊維濾紙で濾過し、藻体を除去した後、CTAB及びEtOH沈殿、DEAE-セルロースイオン交換クロマトグラフィーにより酸性多糖溶出画分を得た。この時収量は28.5mg/培地1Lであった。本多糖は超遠心分析、GPC、電気泳動分析により均一であることが認められ、GPC分析により分子量は1.3×10^6であった。 本多糖の構成成分は酸加水分解後、電気泳動、ペ-パークロマト、HPLC、イオンクロマト、GLC等により、ガラクトース、硫酸基、及び乳酸が認められ、乳酸及びガラクトースは酵素によりそれぞれL-及びD-配置と認められ、これらのモル比は1:1:1であった。脱硫酸(2.0%-塩酸メタノール、室温、5日間)及び脱アシル(0.1M-NaOH、70℃、3時間)を行い、糖残基のみの多糖を得、箱守及びパ-ディー法のメチル化分析で1本の2,3,6-tri-O-Me-ガラクトースのみが得られた。NMR分析(^1H-,^<13>C-NMR,NOESY,H-H COSY,HOHAHA,^<13>C-^1H COSY,DEPT,及びINEPT)においても同様に1本のβ配向のアノメリックシグナル(δH=4.61(J_<1,2>=7.8Hz)、δc=107.3(Jc,H=165.0Hz))が認められた。また、δc=80.4(C-4)が大きくシフトしていることより結合に関与していると認められ、すべてのシグナルの帰属を行った結果、ガラクトピラノス型であることが認められた。脱硫酸脱乳酸多糖と脱乳酸多糖及び脱硫酸多糖のCMR分析の比較より硫酸基はC-2(δc=81.2)及び乳酸はC-3(δc=80.4)に結合していると推定された。以上の結果よりキムノディニウムA3の生産する多糖の構造は-4)-β-D-gal p(1-に硫酸基がC-2にエステル結合及び乳酸がC-3にエーテル結合している多糖と推定された。
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