1995 Fiscal Year Annual Research Report
フラクタル次元解析による小児脳波の研究(てんかんを中心に)
Project/Area Number |
07857051
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
小松崎 英樹 日本医科大学, 医学部, 助手 (10256935)
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Keywords | フラクタル / フラクタル次元 / 相関次元 / 曲線次元 / カオス / 非線形 / 脳波 / てんかん |
Research Abstract |
1.補助金にて購入したA/Dコンバータ-付データ取込システムで脳波計とコンピュータとを直結し、脳波解析システムの精度と速度を向上させた。本研究では、脳波を生み出す非線形力学系システムのダイナミクスの自由度数(次元)を示す相関次元につき、以下の点を検討した。 ・健常者の、小児期〜前青年期での年齢による推移 ・健常群と小児欠神てんかん群との比較 2.対象 健常群21例(6歳11カ月〜24歳11カ月、平均13歳1カ月) 小児欠神てんかん群 6例(7歳4カ月〜21歳1カ月、平均12歳3カ月) 安静覚醒閉眼時における左後頭部(O_1)導出脳波につきフラクタル次元解析を行ない、相関次元を求めた。 3.結果 (1)O_1での相関次元(mean±SD):健常群 3.24±0.14 小児欠神てんかん群 3.21±0.11 (2)相関次元に関する両群の差:有意差なし (3)相関次元の年齢による推移:健常群 相関次元と年齢との間に相関なし(r=0.07) 小児欠神てんかん群 相関次元と年齢との間に相関なし(r=0.20) 4.小児期〜前青年期の後頭部導出脳波(α波が主成分)の相関次元は年齢によらず4未満の値で、比較的少数自由度の決定論的ダイナミクスに従うこと、その発生機構をモデル化するには少なくとも4自由度が必要であることがわかった。小児欠神てんかん群は、健常群との間に有意差を示さなかった。今後は、発作波が局在するてんかん症例につき、その部位での相関次元の比較検討などを予定している。
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