1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07857068
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
鶴 敏彦 東海大学, 医学部, 助手 (10227473)
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Keywords | 磁気刺激 / うつ状態 / 絶望状態モデル / 強制水泳 / Porsolt |
Research Abstract |
磁気刺激のうつ状態に与える影響をPorsoltが提唱した「絶望状態モデル」を用いて調べようとした。強制水泳試験についてはPorsoltの原法に準じて実験を行う予定であった。しかし、短時間の磁気刺激では対照群と差を認めなかった。したがって、長期にわたる影響を調べる必要があると思われるが、その場合、時間経過とともに強制水泳によるストレス効果の減弱が予想されるため、原法と異なり、強制水泳を与え続ける必要性があると思われた。試行錯誤の結果、磁気刺激群、対照群共に最初の1週間は週3回1回30分づつの強制水泳のみを負荷、その後は対照群に対しては同様に強制水泳のみを負荷し、磁気刺激群に対しては、この強制水泳に加えて、1日約10分間の50回づつの磁気刺激を週3回与え続けた。また1週間ごとに10分間(600秒間)の強制水泳中におけるマウスの動時間の合計時間を測定し変化を見ることにした。マウスは雌雄8匹づつ、磁気刺激群、対照群共に雌雄各々2匹づつの16匹を使用した。10分間における動時間そのものは個体差があるため、各個体における動時間の1週間毎の変化を比較することにした。最初の1週間では両群ともに動時間の減少を認めた。2週間後には磁気刺激群の平均では0.75秒増加したが、対照群の平均では14.5秒減少した。また3〜5週間後は両群で差を認めなかった。(統計的検定は行っていない。)この結果から強制水泳試験における無動状態が、うつ状態を反映していると仮定すれば、磁気刺激がうつ状態に有効である可能性がある。今後の課題として、磁気刺激と強制水泳試験の負荷方法、対照群に対する抗うつ剤投与の効果判定、強制水泳試験の定量化、等が挙げられ、今後もこれらの点に留意しながら実験を進めて行く予定である。
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