1995 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン拮抗物質を開いた新しい移植拒絶な応制御法の開発
Project/Area Number |
07857080
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
森末 淳 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00255481)
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Keywords | 拒絶反応 / MHC class II / IL-1 / サイトカイン拮抗物質 / IL-1ra / TNF bp |
Research Abstract |
ヒト末梢血単核球混合培養(MLC)を,in vitroにおける拒絶反応モデルとして研究を施行した.HLA typingを施行したうえでMLCを以下の2群にわけ,MHC class IIが上清中のサイトカイン産生様式,リンパ球表面抗原にどれだけ影響を及ぼすかを検討した.さらにサイトカイン拮抗物質(IL-1ra, TNFbp)添加による効果をも検討した. I.HLA一致(自家移植モデル) II.HLA近似(MHC class IIは一致している,親子間移植モデル) III.HLA不一致(MHC class IIも不一致,allogeneic transplantation model) MHC class IIが異なると,リンパ球増殖反応は有意に増加した.一方,上清中のサイトカイン(IL-1,2,8.10)はその産生が増加し,さらにIL2-Rも発現が増加した.これらのリンパ球増殖反応,サイトカイン産生,IL2-R発現の誘導はIII>II>Iの順に増加していた.これらの変化はIL-1raにより有意に抑制され,TNFbpにより一部抑制された.一方これらのサイトカイン拮抗物質は,CD4/CD8には影響を与えなかった. 以上よりこの実験モデルでは,MHC class II相違による抗原提示細胞の活性化においては,炎症性サイトカイン,特にIL-1が重要であり,これらを特異的に阻害するサイトカイン拮抗物質は新しい拒絶反応制御法として有用である可能性が示唆された.
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