1995 Fiscal Year Annual Research Report
低筋力/高ストローク方式の人工心臓駆動用リニアー型骨格筋アクチューエーターの開発
Project/Area Number |
07857086
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
榊原 直樹 金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (30225784)
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Keywords | 人工心臓 / 骨格筋駆動 / アクチュエーター / 低筋力 / 高ストローク方式 / Cardiomyoplasty / エネルギー変換率 |
Research Abstract |
慢性電気刺激した広背筋をリニアー型として利用した人工心臓駆動において、広背筋の初期牽引力を小さく収縮長を長くとるlow power/high stroke方式(LP方式)骨格筋アクチュエーターの有用性を検討した。成犬5頭の広背筋を約8.8週間にわたりMedtronic社製Cardiomyoplasty用完全埋め込み型骨格筋電気刺激装置による胸背神経の慢性電気刺激を行なった。広背筋の耐疲労性を獲得したのち、模擬循環回路内に組み込まれた人工心臓を2種類のLP方式(LP5、LP10)とhigh power/low stroke方式(HP方式)を用いて後負荷30、100mmHgで駆動した。LP方式はフイゴ状ベローズで力点にかかる力を最小限にするように工夫し、HP方式はベローズを直線方向に圧縮するようにした。後負荷30mmHgにおける出力はLP5が0.25mW/g、LP10が0.27mW/g、HPが0.24mW/g、100mmHgにおける出力はLP5が0.81mW/g、LP10が0.92mW/g、HPが0.76mW/gであった。犬心臓の出力は左室330mW、右室60mWであったことからLP10は左室の50%、右室の82%であった。LP10はHPに比べて有意に高い出力を発生し、LP方式の有用性が証明された。完全埋め込み型リニアー骨格筋アクチュエーターの開発としてボールスクリュー内蔵のシステムを検討したが、骨格筋の直線的牽引力をボールスクリューの回転運動に変換する際のエネルギー交換効率が悪く、また埋め込み型を想定した場合、骨格筋の弛緩時に緊張が得られるような胸壁固定が難しかった。今後の課題はボールスクリューの応用に対して機械工学的検討を重ねる必要があった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 榊原直樹,竹村博文,安田保,川筋道雄,渡辺洋宇: "Low power/high stroke方式によるリニアー型骨格筋アクチュエーターの有用性:慢性電気刺激広背筋による急性実験" 人工臓器. 24. 870-873 (1995)